表現者のための読書会への参加者を募集中

読書会 2023年4月16日(日)

表現者たち展では、作品を支える言論空間を共創するため、定期的に読書会を開催しています。

どなたでもご自由に顔をみせてください。

開催日:2023年4月16日(日) 10時~12時

テーマとなる書籍:『言語にとって美とは何か』

以下のリンクでご参加ください。↓

Zoom URL:https://us02web.zoom.us/j/83965356001?pwd=eUUzKzZTU2N2dnFEdEV1dUR1NmpLZz09

以下、Amazonにて、kindle版が、比較的廉価で、購入可能です。

定本 言語にとって美とはなにかI (角川ソフィア文庫)

表現者たち展 事務局よりのコメント

タイトル「このような読書会を開こうと思った動機について」

人は、誰しも〝表現への欲求″を持っているとは限らない。

「全ての人は、人である故に、表現する事を欲している。」という命題は、理想論に過ぎず、本当のところではないと思う。本当のところは、何事かを表現したいと思う人がいる、ということだけである。しかし、そのような人は、いざ何かを表現しようとしても、自分の思い描くクオリティーに少しでも達する事の出来たと思えるような作品、芸術作品などを、制作、創造する事、出来得る能力を身につける事は、甚だ容易なことではない。

そもそもポストモダンと言われて久しい現在においてはなおさらだ。

何か、多少、作品のようなものを作ったとしても、既に、過去の誰かが、それまで作ったことのあるものであるかも知れないし、そんな中で自分独自のものを作品として創造する希望も、ついぞ持てないことも多々あるであろう。

このような〝今”の状況の中でこそ「芸術とは何か、創造とは、創作とは何か、表現とは何か」を根源的(ラディカル)に、問い直すことにおいて、この吉本隆明の「言語にとって美とは何か」というテクストは格好のものであると思った。

今となっては、この本は、1960年代に書かれた本で、2023年の今という時代の文明的進歩、技術状況から考えて、既に過去のものであると、思われる向きも多々あるであろう。しかし、この本での吉本の問いは、全く古びておらず、今だからこそ、我々に深く語りかけてくる何者かがある、と確信する。

学校のテストのように決まりきった回答があるわけではない。それぞれが、それぞれなりに、自己の経験という鏡の反射効果によって、自由に、このテクストと格闘することに、現在的意味と意義があると思う。特に、“表現者たち‘’にとっては。

「わたしは、文学は言語でつくった芸術だという、それだけではたれも不服をとなえることができない地点から出発し、現在まで流布されてきた文学の理論を、体験や欲求の意味しかもたないものとして疑問符のなかにたたきこむことにした。」

(吉本隆明「言語にとって美とは何か」序より)

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